A1:
チョルノービリ原発事故の時、日本は現地から遠く離れていたこともあり、努力すれば10ベクレル/㎏以下の食品を確保できると考えました。
今回は国内での事故発生ということで、やむなくチョルノービリの時の自主基準(アクションレベル)を変更した生協もあります。そして、グリーンコープとしても10ベクレル/㎏という自主基準は守りとおすことが困難である、もしくはできないとの判断もありました。
しかし、自主基準としての10ベクレル/㎏を組合員みんなと共有し、その上で知恵を出しあって命を守るために助け合っていくべきだと考えました。
10ベクレル/㎏以上の商品はすべて供給ストップするということではありません。その事実と現状を受け止め公表し、どうするのか検討する自主基準としての10ベクレル/㎏としています。
A2:
ベクレルとは放射能の強さを表す単位です。1秒間に1つの放射性物質(原子核)が崩壊して出す放射線の放射能の強さを1ベクレルとしています。
よって、1㎏の商品で1秒間に10個の放射性物質が崩壊して放射線を出せば10ベクレル/㎏となります。
放射能の強さを表すベクレルに対して、人間が放射線を浴びた時の影響度を表すのにシーベルトという単位を使っています。
シーベルトでは単位が大きすぎる為、ミリシーベルト(1/1000シーベルト)がよく使われます。
A3:
核実験や原発の事故などで、環境に放出される放射性物質のうち、拡散しやすいのが、ヨウ素とセシウムです。ヨウ素は半減期(放射線の量が半分になるまでの時間)が8日なのに対し、セシウムは半減期が2年(Cs-134)と30年(Cs-137)と長くなっています。飛び散った放射性物質が土壌にそのまま残ったり、成層圏まで舞い上がったものが、雨などで少しずつ地上を汚染し、農作物などに取り込まれる可能性が高いため、セシウムを検査の対象としています。
A4:
ヨウ素131の半減期は8日間と短く、また、事故発生地点から遠く離れた場所では影響も少ないことからこれまで検査を行っていませんでした。しかし、厚生労働省からの指導を受けている各地方自治体の公開情報では、ヨウ素もセシウム134、セシウム137と同様に検査と報告の対象となっていることから、グリーンコープでも検査の対象とすることにしました。
Q5: |
『検出限界値』の説明の「放射能の特性として、同じ機器で測定しても検体ごとに検出限界値は変動します。」というのはどういう意味ですか? |
A5:
①放射能の特性として、放射能を含んだ検体から発せられる放射線について、常時同じ強さの放射線が発せられるのではなく発せられる放射線は常に大小変動しており、また、放射線が発せられる方向についてもその検体から様々な角度で放出されています。そのため、ある単位時間(仮に1秒とします)と次の単位時間(次の1秒)の放射線量の大きさを比較するとまったく同じにはなりません。これが放射線の特性になります。
②一方、放射線は通常空中を行き交っています。宇宙線や地上の他の物質からのものです。放射能測定器は厚い鉛で覆われていますが、開閉時には空気中にある放射線の影響を受けることになります。これをバックグランドの計数といいます。このバックグランドを除き正味の測定値を算出していますが、このバックグランド分も全く影響していないとは言えないことになります。放射線の特性からバックグランドの放射能も変動します。
③よって「検体ごとに限界値が変動する」というのは、「検体を測定するごとに検体からの放射能もバックグランドの数値も変動する」というのが正確な表現になりますが、表現上分かりにくいので「検体ごとに限界値が変動する」というように説明させていただいています。