少しでも元気に新年を迎えてほしい~被災地での年末年始の取り組み
<現地の様子~12月>
相当に寒くなる現地。年末急ピッチで行われていた仮設住宅の断熱工事や2重扉工事などの冬支度も追いついていない様子でした。また、仮設住宅住まいのお年寄りが体を動かす機会が減ることによる歩行困難などの生活不活性病や、延長されていた雇用保険の失業給付が切れ就職先もないなど今後の生活が心配される状況です。
そんな中でも被災地のみなさんに、少しでも元気に新年を迎えていただこうと年末年始企画を行いました。
<クリスマスツリーとケーキを届けました>
他団体から提供されたクリスマスツリーを仮設住宅・被災者住宅へ、グリーンコープの取引先から提供されたお菓子のセットを被災した保育園へ届けました。また、被災から復興した宮城県石巻市のケーキ店にクリスマスケーキを作っていただき、被災地の皆さんに届けました。ケーキに使用したいちごは、全国でも有数のいちご産地宮城県亘理(わたり)町の、被災して壊滅状態から一部復興した丸子農園のいちごです。

支援活動の中で知り合ったいちご生産者の丸子
さん。壊滅状態から一部復興し、立派ないちごが
できました。

石巻市渡波(わたのは)にあるケーキ店「エクレール」は、2階の天井まで津波が入り全壊の状態から復興を果たされました。ご主人は、被災地の子どもへクリスマスケーキを届ける取り組みに快く
応じていただき、心を込めて作ってくれました。


ボランティアのメンバーがサンタの衣装で、被災地の仮設住宅や被災住宅を回りました。仮設住宅の子どもたちからおばあちゃんまで、皆さんに喜んでいただけました。

宮城県亘理町の荒浜保育園は津波で流され、
間一髪中学校に避難して、約100名の園児は
無事だったとのこと。現在、違う場所の仮設の
保育園で再開されています。

雪が積もった公園で遊ぶ園児に、クリスマスの
お菓子をプレゼントしました。
<飾り鏡餅や福袋を届けました>
グリーンコープのメーカー・生産者の会「グリーンクラブ」から提供いただいた飾り鏡餅やお餅を宮城県の女川(おながわ)・雄勝(おがつ)・牡鹿(おしか)・亘理・山元の各エリアの被災された方々にお届けしたり、岩手県大船渡市ではみなし仮設住宅を中心に年越しそばを提供しました。また、グリーンコープの取引先や他団体から提供された物資で「福袋」を準備して届けました。被災された皆さんから「おかげで新年を迎えることができました」とお礼の言葉をいただきました。
牡鹿エリア住宅仮設での、年末物資提供のようす。皆で分け合う、生協の班共同購入と同じ風景です。
<冬物物資配布会を開催しています>
冬の防寒対策は、行政の対応では充分でなく、組合員の皆さんから提供いただいた物資が大活躍しています。仙台市宮城野区主催のイベントに参加し、炊き出し、冬物衣料・雑貨配布会を行いました。宮城県山元町主催のイベント、山形県米沢市、福島県いわき市にて開催された他団体のイベントに物資提供の要請があり、各会場に4t車に満載の冬物衣料・毛布・紙オムツ等をお届けしました。また、岩手県大船渡・陸前高田でも毛布の要請が多く、組合員の皆さんから提供された毛布をお届けし、大変喜ばれ感謝されています。今後も、被災された方の要望に応じた支援を行っていきます。

仙台市宮城野区の仮設住宅・みなし仮設住宅
対象のイベントでの冬物物資配布会。驚くほど
多くの方が来られ、時間を延長したり毛布は
別途配達するなどの対応をしました。まだまだ
支援が行き渡っていないことを実感しました。

積雪の中、岩手へ物資(毛布)を満載して出発
※みなし仮設住宅…震災で自宅を失った人が民間の賃貸住宅を借りて住むこと
<復興がすすまない女川・牡鹿エリアのようす>
災害発生当初の緊急支援から復興支援に移り変わっていく中で、食品の物資支援は減少していますが、道路等のインフラ整備が進まず、未だに水の確保や買い物にも不自由な地域もあります。

小さな漁村では今なお瓦礫がそのままの状態のところもあります。

石巻市の月の浦では、今でも満潮時は冠水し、高台にある避難所の民家に入るには潮が引くのを待つしかない状態です。
女川エリアには多くの漁村がありますが、途中の道路はまだ復旧しておらず、写真の様な状態のところがたくさんあり、冬場の凍結で更に危険な状態です。

年末押し迫って急ピッチで断熱材を貼る作業が
進められていました。

仮設住宅の玄関からすきま風が入り室温が上がらないという声を受け、2重扉の工事がすすめられています。
<社会福祉法人グリーンコープの在宅福祉ワーカーズによる支援のようす>
社会福祉法人グリーンコープでは、昨年7月末から、震災後の緊急物資支援活動の中で出会った宮城県の山元町の介護老人保健施設「アルカディアウェル」、デイサービス「えん」へ、ふくおか、くまもと、かごしまの各在宅福祉ワーカーズのワーカーが被災地で人的支援活動を行っています。

介護老人保健施設「アルカディアウェル」は高台にあるので津波被害は受けなかったものの、
職員スタッフの減少や入所者の増加で一時
大変な状況でした。避難者対応や停電、断水
等で、職員スタッフは寝ずの対応をされたそう
です。

現在、福祉ワーカーが毎週2人支援に入っています。施設内では、はるばる九州から自分達のために来てくれているということが、入居者の方々に元気を届けられ、感謝されています。

山元町の沿岸部にあったデイサービス「えん」の施設は全て流されましたが、海から2キロほど離れた自宅は浸水したものの流されずに残ったので、自宅を清掃・修復してデイサービスを行われています。

スタッフは全て退職となったため、現在、福祉ワーカーが週に2人支援に入っています。ここでもワーカーの活躍は、本当に感謝されています。
その他にも、グリーンコープの取引先メーカーによる支援がありました

化粧品メーカーによる、手・顔のマッサージと
メイクなどの支援がありました。利用者は、はじ
めは「恐る恐る」でしたが、終了後はこの笑顔。

マッサージだけでなく、マニキュアの要望もあり、喜んでいただきました。
※年末年始の支援のようすは、「共生地域創造財団」のホームページでも見ることができます。コチラ
2012年1月26日