連合会 商品おすすめ委員会の「2025年度 商品メーカー『長崎蒲鉾有限会社』視察・交流」の報告です
2025年度 商品メーカー「長崎蒲鉾有限会社」視察・交流
日 時:2025年7月10日(木)9:30~13:30
主 催:連合会商品おすすめ委員会
場 所:長崎蒲鉾有限会社(長崎県長崎市田中町279-55)
参加者:組合員 13名
メーカー 2名
同行事務局 2名
<はじめに>
グリーンコープ連合会商品おすすめ委員会では、メーカーの商品作りに対するこだわりや取り組む姿勢を知り、グリーンコープ商品についての理解を深め、多くの組合員に伝え、利用につながることを目的に、商品メーカーとの視察・交流を行っています。
今年度の「長崎蒲鉾有限会社」視察・交流について、ご紹介します。
<視察の様子>
一般的に世界の98%が表示義務のないリン酸塩を使用しているすり身(有リンすり身)で、リン酸塩を使用していないすり身(無リンすり身)はほんのわずかです。
長崎蒲鉾有限会社の工場で製造されているグリーンコープ商品の原料は無リンすり身です。無リンすり身の保管庫の方が有リンすり身よりも広く、長崎蒲鉾有限会社のこだわりを感じました。



冷凍庫内に保管されている無リンすり身

すり身は一般的に、自然解凍か冷蔵庫で解凍するそうですが、長崎蒲鉾有限会社では解凍ムラをなくすために、解凍機の中で6~8℃の冷水を流しながら、40分~1時間かけて半解凍しています。
半解凍したすり身は、まずサイレントカッターという機械で、すり身の塊を1cm弱(冬は5mm。気温で大きさを変える)に粉砕します。これ1台で完結させる商品もあるそうですが、GC「いわしバーグ」はそれからさらに石うすで練っていました。食感を大切にし、1時間40分かけて、職人の手で温度や水分を調節しながら行っています。
グリーンコープ生協さが 野田

サイレントカッターで、すり身を小さくカットする

真空高速カッター(ボールカッター)で、ムラなくすり身を練る

石うすで、温度や水分を調節しながら調味料などを添加する。石うすの回りについたすり身は、職人がヘラでとる。

練り上げたすり身を形成機に入れて、フライヤーで175度で3分揚げます。中心温度が88度になったことを確認し、商品として合格となります。
フライヤーの揚げ油は、GC「一番搾りなたね油菜の花物語」を使用しています。フライヤーからは1時間に約200キロが製造されます。
フライヤーから出たいわしバーグは、まず常温で40分かけて冷却し、表面温度を下げたあと、マイナス2度設定の冷蔵庫で40分間冷やします。10度まで温度を下げてから、次の工程の包装室へ移動します。冷却の冷蔵庫内も分別管理が徹底されており、グリーンコープ商品が他の商品と混ざらないように管理されていました。
グリーンコープ生協ふくしま 押山

成型したいわしバーグをフライヤーの中へ

ゆっくりと冷却し、冷蔵庫へ

冷蔵庫内も分別管理されています

加工エリアから包装仕分エリアに入る際には改めて手洗い、消毒、エアシャワーを通り入室しました。室内は明るく清潔で、品質保持のため品温を低く保てるように空調をしっかりと調整していました。包装された後、重量チェックと金属探知機を通って最終確認された商品を、さらに一つひとつ人の目で点検しながら手作業で、丁寧にかつ素早く袋詰めしていました。

品質管理、衛生管理、温度管理を徹底し、さまざまなチェック後、でき上がったGC「いわしバーグ」が私たちの手元に届きます。
グリーンコープやまぐち生協 大山
<GC「いわしバーグ」の商品特長>
★長崎蒲鉾有限会社の商品のこだわり製法と熱い思いがあるからこそ、GC「いわしバーグ」は安心・安全でおいしいのです!ポイントは次のとおり!
・新鮮な国産いわし、国産あじなどのリン酸塩を使用していないすり身を使用
・GC「海水塩(なぎさ)」を使用
・揚げ油はGC「一番搾りなたね油菜の花物語」を使用
・国産野菜(玉ねぎ、ごぼう、にんじん、ねぎ)使用
※玉ねぎは甘みを出すため1時間炒める
・食感に変化をつけるため、じゃこ天・いわし天を刻んで入れている
・国産牛、産直豚の合挽ミンチ使用
・アミノ酸等の旨味調味料不使用
さらに!
・刺身でも食べられるくらい鮮度のよいすり身を使用
・すり身の温度が上がらないように、御影石でできた石うすや調理器具を氷や氷水で冷やしながら丁寧に摺り上げて製造している
グリーンコープ生協おかやま 鐘築

<学習会の様子>
髙﨑社長、営業の金子さんをはじめ、工場のみなさんが温かく迎えてくださいました。学習会と工場見学と2班に分かれ、入れ替わりで行いました。工場見学では社長が同行し、温度管理をはじめとする様々なこだわりを詳しく教えてくださいました。「全部見せます!」という社長のお言葉に甘えて、分かるまでとことん質問させていただきました。
学習会では、すり身工程の動画を視聴しましたが、初めて知ることばかりでした。多くの質問に、根気強く解説していただき理解が深まりました。たくさん質問しすぎて時間が押して、最後はかなり慌ただしくなってしまいました。社長の親しみやすいお人柄のおかげで楽しく学ぶことができ、長崎蒲鉾有限会社の商品にも社員の方々にも愛着が湧きました。
グリーンコープかごしま生協 今吉



長崎蒲鉾有限会社の方と、長崎一番のお店の前で

長崎蒲鉾有限会社のグリーンコープ商品(一部)
<おわりに>
昨年委員会内での学習会を行い、ぜひ現地に行き製造の過程を見てみたいと長崎蒲鉾有限会社へ伺いました。世界の98%が有リンすり身を使っている中、グリーンコープの練り製品は、お刺身で食べられるほど新鮮な魚をリン酸塩不使用で製造した、特注のすり身を使用しています。その日の一番初めに製造することで、他商品と混ざらず、管理が徹底されていました。石臼で練ったすり身は、2ミリ大のストレーナー(こし器)を通すことで、異物混入の確認やふんわりとした食感を生み出し、石うすは使用する前にしっかり冷やしておくことで品質を落とさないよう工夫されていました。
人気のGC「いわしバーグ」に使われている玉ねぎは、旨味や甘味を引き出すために、1時間かけて炒め、10度以下までしっかり冷やすことで、すり身と混ぜたときに生地が傷みません。また、いわし天やじゃこ天を刻んだものを混ぜることで食感に変化をつけ、魚が苦手な子どもにも手軽に食べられるように産直豚と国産牛のミンチを入れていました。余計な添加物や保存料を使用せずに、GC「海水塩(なぎさ)」やグリーンコープ指定の調味料で仕上げ、GC「一番搾りなたね油菜の花物語」で揚げており、こだわり抜いたGC「いわしバーグ」の秘密をたくさん知り、感動の連続でした。素材の美味しさを追求し、噛めば噛むほど味のある、無リンすり身を使った練り製品は、栄養たっぷりで他では購入することができない逸品だと、自信を持って利用普及につなげました。
連合会商品おすすめ委員会
2025年10月31日
