連合会 商品おすすめ委員会の「2025年度 岩手中央農協視察・交流」の報告です
2025年度 岩手中央農協視察・交流
日程 :2025年9月11日(木)~12日(金)
視察先 :岩手県紫波郡
出荷品目:りんご、ブルーベリー
主催 :連合会商品おすすめ委員会
参加者 :組合員 7名
同行事務局 2名
<はじめに>
グリーンコープにはたくさんの産直産地があります。組合員が産地に出向き視察・交流をしたり、生産者に来訪いただいたりして交流を行い、生産者と顔の見える関係を大切にしています。
2025年度の遠隔地視察・交流では、岩手中央農協を訪問し、産地の様子や生産者の置かれている状況を体感し、りんごの利用普及の取り組みを、自信をもってすすめていけるよう、視察・交流を実施しました。その様子を紹介します。
【9月11日(木)】
岩手中央農協の事務所で交流
岩手中央農協にて、今年度のりんごの生育状況を聞きました。冬~春にかけての気温、6月も雨が少ないなど「例年並み」という言葉がどこにも当てはまらない気候が続いていました。また、温暖化で暖冬となっている影響か、カメムシ類の大量発生のため、特別栽培をあきらめて全体で一斉防除のために農薬をまくという判断をした状況も聞き、減農薬で栽培を続ける難しさを感じました。
今年度は早期予約りんごはなく、カタログのみの企画となりますが「岩手のりんごを楽しみにしています」との気持ちをお伝えし、メッセージの贈呈も行いました。
(グリーンコープ生協ふくおか 西本)

岩手中央農協会議室で交流

メッセージ贈呈も行いました
藤村さんの「きおう・つがる」の圃場
車がやっと1台通るような山道を奥へ奥へ上り進めたところに藤村さんの圃場がありました。私たちが視察に訪れた日はきおうの収穫がほぼ終わり、つがるがちょうど収穫時期を迎えているとのことで、赤く色づいたりんごが可愛らしくたわわに実っていました。この圃場は標高が高く花が咲くのが1週間ほど遅いため、他よりも小玉傾向ですが、今年は7月に雨が降らなかった影響でさらに小玉になっているとのことでした。また暑い日が続いて夜温が下がらないことで、実は熟しているのになかなか色が付かず、収穫時期の見極めが難しいとも話され、ここでも気候変動の影響が出ていることを感じました。渡り鳥がつついていくため、木に網をかけたりキラキラの防鳥テープを渡したりして対策されていました。岩手でも後継者不足は課題となっていますが、藤村さんの圃場はまだ小さい子どもさんが継ぐと話されているそうで、きっと普段から生き生きと栽培に取り組まれているのだと思い、嬉しくなりました。
(グリーンコープかごしま生協 今吉)

栽培へのこだわりを話す藤村さん

「きおう」と「さんさ」の食べ比べをしました

渡り鳥やカラスにつつかれたりんご

北田さんの「つがる」の圃場
北田さんのりんご作りでは光合成を行う葉っぱを1番大事にされていました。病気や虫害で葉が落ちると、光合成が出来ずに実でデンプンを貯めにくくなり、糖化が出来ずに甘くないりんごになるそうです。
今年は特別栽培ではないけど、なるべく薬を減らす努力をされており、除草剤も使われていません。りんご栽培において機械で出来る作業は草刈りと消毒だけで、後は全て手作業です。今年は酷暑や猛暑と言われる日が東北でも観測されました。そんな異常気象が続く日々の中でも生産者のご尽力により今年もおいしいりんごが届く予定です。
(グリーンコープ生協ふくおか 小林)

りんご生産者になったきっかけから、北田さんの栽培へのこだわりなどをお聞きしました

新わいか栽培は、親和性の低い木同士を接ぎ木することで、栽培しやすい低い木になるそうです

出荷間近のつがる

【9月12日(金)】
紫波長岡果樹園(株)の圃場視察
高齢化でりんご栽培を辞められる生産者が多いなか、今年度から株式会社にして複数の生産者の圃場をまとめて管理することにしたそうです。今年喜寿になる役員の生産者森川さんから話を伺いました。
山の傾斜地に広がる16haの園地に、6,000本のりんごの木が植えられていました。そのうち4割がふじで、今は早生のつがるが赤くなっていました。50年前は15,000本あったりんごの木は半分以下になり、木も低く手の届く高さにし、管理しやすくしているそうです。この圃場は輸出を考えて特別栽培で除草剤不使用とのことでした。
(グリーンコープやまぐち生協 大山)

森川さんの圃場では、ふじやつがるの他、シナノゴールドやジョナゴールドが実っていました

さんさは暑さで色がつきにくくなったことなどをお聞きしました

コンフューザー:メスの匂いでオスを混乱させ、害虫の繁殖を抑制するフェロモン剤

紫波選果場を視察
最後に見せていただいた紫波選果場では、1日に18kg入るコンテナ600~650箱分を箱詰めして送り出しています。キズやサビを人の目で探して省き、ここではじかれたものが加工用になります。その後、色と大きさを判別するカメラを通り、等級を自動選別します。赤くてキズがないほど等級が高く、6等級に分けられます。大きさは10段階に分けられ、箱詰めは人の手で行われていました。1箱に32~40玉入るくらいの大きさが、売れ筋だそうです。
(グリーンコープ生協さが 野田)

ジュースになる加工用りんご

手作業でキズやサビを選別

センサーで糖度や大きさ別に6等級に選別していく

手作業で箱詰め後、レーンに乗せて冷蔵庫へ

冷蔵庫で冷やされ、出荷を待つりんごたち
<視察を終えて>
岩手中央農協では、「統一防除」をされており、地域ごとに散布農薬や時期の検討を行っています。農薬・化学肥料を慣行栽培の半分以下に抑える「特別栽培」と「慣行栽培」を隔年で行っていましたが、近年の異常気象の影響で害虫の大量発生や病害・自然災害が増加し、収量の減少や減収が続いたため、今年度は一斉防除の年として、全て一般栽培で行うことを止む無く決定されたとの事でした。
今後もりんご栽培や産地を守っていくために、今まで培った知恵や工夫を凝らしながら、生産者も安定して栽培できるように努力されていました。除草剤不使用で手入れの行き届いた圃場には、大切に育てられたりんごが色づいていました。気候変動や後継者問題など産地での厳しい現状や日ごろのご苦労に触れ、カタログGREENやグリーンコープの店舗などで購入できる「当たり前」が、いつまでも当たり前ではないという現状を改めて感じました。
連合会商品おすすめ委員会

2026年1月23日
