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連合会 商品おすすめ委員会の「2022年度 沖縄(真南風・ハナナス・西表農園)視察・交流」の報告です

2022年度 沖縄(真南風・ハナナス・西表農園)視察・交流

日 時:2022年4月22日(金)~24日(日)

視察先:〇沖縄本島
    ・識名農園
     出荷品目:大玉トマト、ピーマン
    ・真南風直営農園
     出荷品目:パイン、マンゴー、ピーマン、里芋、島らっきょう、パプリカ、かぼちゃ、いんげん、シークヮーサー、トマト
     〇石垣島
    ・ハナナス
     出荷品目:パイナップル
    〇西表島
    ・西表農園
     出荷品目:マンゴー、パイナップル

主 催:連合会商品おすすめ委員会
参加者:組合員8名、同行事務局3名

はじめに
グリーンコープにはたくさんの産直産地があり、組合員が産地に出向き視察・交流をしたり、産地から生産者に来訪いただいたりして交流を行ない、生産者との顔の見える関係を大切にしています。
2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大により、この間、産地に出向くことはできませんでしたが、そのような中でもオンラインにて顔の見える関係を大切に、生産者との交流を続けてきました。
そして今回、3年ぶりに産地に出向く視察・交流を再開しました。実施に向けては、直前まで産地と相談しながら慎重にすすめました。沖縄(真南風・ハナナス・西表農園)視察・交流の様子を紹介します。

【4月22日(金)】
〇沖縄本島
識名農園視察・交流
生産者:識名(しきな)さん  出荷品目:トマト
雨予報といわれていたにもかかわらず、好天に恵まれて視察訪問が始まりました。識名共史さんは、独立して9年目の33歳!有機のトマトを栽培してくださっています。両親とパートさんの4名~5名で常に収穫から出荷まで行われています。
識名さんのお父さんができる限り無農薬栽培にこだわったのは、息子さんが生まれたから!!『だって、帰ってから息子を抱けれないでしょ。』とお父さんは優しく微笑んで語ってくれました。お父さんの息子さんへの深い愛は、親子の絆を更に結び、トマト栽培への深―い愛情が息子さんに受け継がれていくのでした。

①識名さんとお父さん


識名農園 父と息子の手

今年は、トマトの作付けは、あまりよくなかった様子でした。2月は気温が10度を切ることがあり、曇天などの影響で沖縄といえども寒さ対策をされたとのことでした。
トマトはとてもデリケートで、うどんこ病になって白くなり枯れてしまったりするので、「有機栽培ゆえに、とにかく早期発見がポイント!!」「ひとつひとつ手を掛けてあげなければならないので、近年、有機JASで作る生産者はほとんどいないぐらい」と言われていました。(グリーンコープ生協(島根) 伊達)


識名農園

真南風直営農園視察・交流
出荷品目:パイン、マンゴー、ピーマン、里芋、島らっきょう、パプリカ、かぼちゃ、いんげん、シークヮーサー、トマト
ビニールハウスで育てている「ちぐさ」という肉厚で大きな(パプリカくらい)種類のピーマンを見せて頂きました。ピーマンと一緒にクレオメという白やピンクの花が咲いている植物を植えていました。これはピーマンに来る害虫のアザミウマの、天敵のタバコカスミカメが寄ってきやすい植物で、アザミウマを天敵のタバコカスミカメが食べてくれるからだそうです!

④ピーマンのハウス


⑤クレオメを一緒に

液肥は、サトウキビから黒糖を作る時に出る「ハイトウミツ」という地元の物を使っていました。今年は、病気が発生し幹が黒くなったそうで、何度も硫黄粉剤を撒いてどうにか症状を抑えて収穫できたと言われていました。農薬を使わないためのたくさんの努力をされていました。(グリーンコープ生協ひろしま 木上)

【4月23日(土)】
〇石垣島 
ハナナス視察・交流
・生産者:當間(とうま)さん  出荷品目:パイナップル
お話を伺った當間さんは曽祖父の代から4代目、23歳で就農し7年目の生産者さん。石垣島の中でもパイナップルの栽培に適した開南地区で、50年以上美味しいパイナップルを作ってくれています。雉などの鳥よけや日焼け防止のためにネットをかけている様子も見ました。植付けから収穫まで2年かかることや、グリーンコープに届くパイナップルは食べごろで収穫しているので、届いたらすぐに食べてよいこと等初めて知ることがたくさんありました。 (グリーンコープ生協ふくおか 片山)

⑥當間さんご夫妻とお父さん


⑦鳥よけ・日よけのための網

〇西表島
西表農園視察・交流
生産者:平井(ひらい)さん  出荷品目:マンゴー、パイナップル
マンゴーの圃場 
視察した時は摘果の時期で、実際に選ぶ様子を見せていただきました。摘果は栄養が分散しないようにするための選定作業で、1つの枝に1玉、1本の木で80~120個にもなるので、1日かかっても2~3本の木が限界だそうです。マンゴーの実が大きくなると枝が下がってくるため落ちないように、また、実全体が太陽の光を浴びられるように紐で吊って上に向かせるそうで、誘引の様子も見せていただきました。4,5年前には天敵であるスリップス(アザミウマ)が大量発生しマンゴーが真っ黒になったことから、対策としてダニ、テントウムシ、クモを放ち捕食させているそうです。それにより農薬を撒かなくなったと聞き、素晴らしい方法だと思いました。(グリーンコープ生協くまもと 児玉)

⑧1枝に1個になるよう選定


⑨枝を紐で誘引する平井さん

パイナップル(ピーチパイン)の圃場
圃場1ヵ所目は、収穫前のピーチパインが鳥と日よけの為にかけられた黒いネットの下で今か今かと待っていました。ピーチパインは、日差しが強く気温の高い西表島で作ると酸味の強さやバランスが良く、香りが強くて品質の良いものが作れるそうです。確かに、西表島に着くと太陽の日差しがとっても強く、汗が滝のように流れていました。
生産者の平井さんは、収穫の1か月半前に、冠芽(カンガといわれるパインの頭の部分)をとって芯を潰す「芯止め」を1つ1つ手作業で行う事で成長点を止め、芯が大きく硬くなるのを防いでいます。平井さんのピーチパインは芯も柔らかく、残すことなく堪能できます。ぜひ、太陽のエネルギーを沢山浴びたピーチパインを食べて、口いっぱいに広がる甘みと香り、そしてほどよい酸味を感じてほしいなと思います。とっても感動する美味しさです。(グリーンコープ生協おおいた 田中)

ピーチパイン圃場


⑪冠芽を芯止め

パイナップル(ボゴールパイン・ハワイ種)の圃場
ボゴールパインの圃場では、今年収穫予定のパインを見ながら、ピーチパインとの違いなどを教えていただきました。ボゴールパインは窒素に強いので、ピーチパインと比べて堆肥や肥料の与え方にそれほど気は遣わなくていい反面、実が大きくなるので倒れやすく、1株で2回(2期)採れることは少ないそうです。ただトータルするとボゴールパインの方がやや作りやすいそうです。別の圃場では、今は作り手の少なくなった希少なハワイ種(パインの原種)の栽培の様子も見せていただき、昔ながらの味を守りながら生食に向かない傷ついたものは加工に回すなど、様々に工夫して大切に育てていらっしゃることがよくわかりました。(グリーンコープ生協かごしま 下本地)

パイン試食


西表農園集合写真

加工場・選果場
重さにより選別できるベルトで仕分けが行われていました。配送業者は来ないので、自分たちで荷受け作業もされています。トラックに積み、フェリー乗り場で船に乗せるまでが仕事になります。
加工場では、パイナップルが届いたらすぐカットして酸を飛ばして冷蔵庫へ。ジュースは85℃で30分加熱されます。ドライフルーツはそのまま使うもの、糖上げするものがあります。20~21時間乾燥させます。その後一度冷凍するとうま味が増すそうです。カットパインの需要は年々増加していて、冬場でもドライフルーツとして食べることもでき、お土産としても人気が高いそうです。(グリーンコープとっとり 口田)


⑭SMLサイズごとに選別


⑮カット後に冷凍室で保存

 

【4月24日(日)】
 9:00  西表島出発 ⇒ フェリーで石垣島へ
     石垣空港  ⇒ 那覇空港
16:30 福岡空港着 ⇒ 自宅へ


⑯西表島のフェリー乗り場にて

《視察を終えて》
3年ぶりの視察交流を、8名の委員が参加して実現することができ、生産者と直接会ってお話を聞けること、圃場や加工場を自分の目で見られることの喜びをあらためて感じることができました。真南風のトマト・ピーマン、ハナナスのパイン、西表農園のマンゴーとパインを見せていただきながら、生産者の思いをお聞きし、質問にもたくさん答えていただきました。お子さんが生まれて農薬の使用をやめられたことや、次の世代に残したいものは何かを考えられている様子、先代の方々への尊敬の気持ちを忘れず、その中でより良い新しい方法に挑戦する姿など、たくさんの感動がありました。
土壌の改良や暑い中での除草作業などのご苦労があり、毎年異なる気候の影響を受け、その中でも前向きに取り組まれているお話を聞いて、大切にいただきたい、たくさんの組合員に伝えて利用してほしいと思いました。

連合会商品おすすめ委員会

2022年6月14日

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