グリーンコープ生活協同組合連合会
福島民友新聞社に対する「名誉棄損及び損害賠償」訴訟についての最高裁判所決定を受けての声明
福島民友新聞社に対する「名誉棄損及び損害賠償」訴訟についての最高裁判所決定を受けての声明
２０２２年５月２５日
グリーンコープ生活協同組合連合会理事会
２０１８年３月、福島民友新聞社が２０１７年９月〜１０月に報じた１０件の記事について、私たちグリーンコープ生活協同組合連合会は、これらが私たちへの名誉毀損にあたる違法なものであると提訴をいたしました。それについて、２０２０年１２月に福岡地方裁判所が、２０２１年８月に福岡高裁裁判所が、そして、本年５月１２日に最高裁判所が、いずれも、私たちの訴えを認め、同社の報道が違法な名誉毀損にあたるとの判決をくだしました。本当にありがたい判断をしていただいたと考えます。生じてきた事実と、私たちの考えとを的確に法廷に示してくださった代理人弁護士の方々への感謝をこめて、適切に判決をしてくださった各裁判官の皆さんにお礼を申し上げます。
第一審地方裁判決では、同社の１０件記事すべての違法性と名誉毀損が認められました。第二審高裁判決では、６件の違法性と名誉毀損は認められませんでした。中でも、同社が、同社からの報道前の要請にもとづく私たちの回答を受け取り、同社が問題だと報道した私たちの復興応援企画カタログに福島県産の商品が掲載されていなかった理由と、それ以前の同企画に福島県産品が掲載され、今後もそうされるという事実を承知しながらも、最初の報道の誤りを訂正せずに、むしろ糊塗するかのようにその後も報道を続けるとなった第３〜第５記事の違法性が認められなかったのは、少し心残りでした。ただ、その理由として高裁が示したのは「グリーンコープが人と人のつながりから商品を生みだしていることは何ら非難されることではなく、それを記事にすることでグリーンコープの名誉を損なうものではない。」ということで、それは、ある意味で、高裁が私たちのあり方そのものを認めたものでした。そして、最初の報道と、まとめとなる社説記事の違法性と名誉毀損を認めました。その意味で、私たちは、心より、その判決をよしと考えました。そして今般、最高裁は５名の裁判官全員の一致した判断として、同社の「上告受理申立て」を退けました。
同社は、社会の公器である報道機関として、地方裁判所・高等裁判所・最高裁判所のすべてが同社の報道が違法であり、私たちの名誉を毀損するものであったと判断したことを受け止めて、真摯に自己反省することが求められると思います。
同社からの報道によって、当時、私たちに多くの批判や中傷が届けられました。中でもきつかったのは、悲しみの気持ちを寄せられるものでした。福島でがんばる自分たちに対して、それを応援する人びとに対して、あなたたちグリーンコープは一体何ということをされるのか、というものでした。
私たちグリーンコープは、２０１１年３月１１日の東日本大震災を受けて、３月１４日、東北に向けて支援物資を載せた輸送トラックを走らせ始めてから今日まで、組合員が心を寄せあうカンパ金を元手とした被災地支援活動を継続してきています。福島でがんばって生きていかれる人たち、福島を離れざるを得ないががんばって生きていかれる人たち、それらへの励ましと応援をされる人たち、そうしたすべての方々にとって、こうして支援をするところがあるよと報じて勇気づけるのと逆に、同社の一連の報道は、怒りをもつ必要のないことを怒らせ、悲しまなくてよいことを悲しませるものでした。同社には、そのことをわかってほしいと思っています。また、同社の報道を読んで、まだそう思っている人たちも多くいらっしゃると思います。これからも福島をはじめ、東日本大震災被災地への復興支援を私たちは続けます。そうした中で、その間違いも解いていければと考えています。
２０２０年、そうした私たちグリーンコープの願いをともにし、福島の地にグリーンコープを誕生させたいという母親たちの希いが原動力となって、グリーンコープ生活協同組合ふくしまが設立されました。これからの歩みをともにしていきます。すべての皆さんにその足取りを見守っていただければ幸いです。
３つの判決は添付のとおりです。ご参照ください。また、この先、上に記した主旨にもとづいて、グリーンコープのホームページに、本件訴訟にかかる全資料の掲示コーナーを設けます。ていねいに準備するので少しお時間をいただき、できましたら、また改めてご報告いたします。
以上
【添付資料】
福島民友新聞社訴訟第一審判決報告（機関紙「共生の時代」2021年2月号外）
福島民友新聞社訴訟控訴審判決報告（機関紙「共生の時代」2021年10月号外）
2022年5月26日