連合会 商品おすすめ委員会の「2021年度みかん産地視察・交流会」の報告です
2021年度みかん産地視察・交流会<オンライン開催>
日 時:2021年8月18日(水)10:30~11:30
参加者:みかん生産者 18名
組合員 24名
連合会農産部職員事務局 2名
主 催:連合会商品おすすめ委員会
グリーンコープのみかん産地は、九州内に11産地あります。毎年、早期予約みかんの取り組みに連動して、みかん産地の1つに生産者と組合員が一堂に会し、交流を行なってきました。2021年はコロナ禍のため、オンラインにて11産地よりライブ中継や写真などで今年の生育状況を報告いただきました。
みかんの生産者より
11産地共通の園地の様子
・鈴なりの大豊作が期待されます。
・6~7月までは、雨が降らず干ばつ状態で、みかんの糖度は9度以上あり、甘いみかんが出来ると期待されましたが、盆前から降り続く長雨で、糖度が平年並みの8度ぐらいになっている様子です。
・8月の大雨で圃場に入れずに、雑草が伸び放題で、雨が降り終わった後の草刈りが必須です。
天水グループ (熊本県)
ひのさやかは豊作なので、枝が折れないように踏ん張り竹で支えています。現在は摘果が終わり、生育は順調ですが、玉が大きめで数も多く、日焼けが少し目立ちます。
8月の大雨で、石垣がくずれた圃場
2週間前に草刈りをした圃場
Eプラントクマモト (熊本県)
大雨ですので、トラックの中からライブ中継しています。
みかんは鈴なりになっています。中には日焼けしたみかんもあります。この大雨で、くずれている圃場もあり、今後の天候、台風などを心配しています。
川上農園グループ (福岡県)
6~7月の干ばつ時は摘果作業をしながら、スプリンクラーで灌水をしました。8月の雨で、圃場に行く道路が削れましたが、みかんの圃場に被害はありません。古い木が多く、日照りで弱っていましたが、この雨で持ち直しました。
8月いっぱいまで、温州みかんや中晩柑の摘果作業を行ないます。
イノシシ、アナグマの被害が出ます。最近は鹿が大群で押し寄せ、電気柵を飛び越えて、圃場に入り、大事な葉っぱを食べます。天候、獣、病気に気を配り、今後の手入れをしていきます。
長崎有機農業研究会 (長崎県)
6~7月の干ばつの時は、葉が落ち、実がしぼんできましたが、8月の雨で持ち直しました。干ばつでみかんの酸が切れて、青くても食べられます。そのためイノシシがもう食べに来ているので、柵の設置を急いでいます。
園地のすぐ横が大雨で崩れています
佐伊津有機農法研究会 (熊本県)
雨の中、摘果作業をして50%の摘果をしました。黒点病が多くなる可能性があるので心配です。雨が上がり、晴天が続けば甘くなります。出来るだけの作業を行ない頑張っておいしいみかんを作ります。
みのり会 (佐賀県)
干ばつは、みかんの水切りという技術の代わりになり、自然に水分が切れて糖度が上がります。玉数が多く、味のバランスは良いと思われます。病害虫は今のところ目立った様子はありません。早生温州の摘果の最中です。
井上農園 (長崎県)
極早生日南の圃場で、土砂崩れは所々ありますが、みかんに影響はなく生育は順調です。玉が大きく、外側は日焼けしやすく腐るので、収穫前に切り落とします。草刈のため電気柵の電源を切ると、そこからイノシシが圃場に入り被害が出ます。
日焼けしたみかん
肥後七草会 (熊本県)
谷に水があふれ、道が削られており、大雨のため圃場の様子を見に行けませんでしたが、昨日危険をおかし、写真を撮りに行ったところ、すでにイノシシから食べられていました。収量、品質は良い様子です。
百姓倶楽部八女の郷 (福岡県)
大雨で圃場に行く道路が通れない状況で、黒点病などの発生が心配されます。今のところ糖度と酸のバランスで、食べやすいみかんになっていると思われます。
Little Fruits Farm(青木農園)(大分県)
産地名が変更となり、カタログにも記載されるので、よろしくお願いします。小玉傾向で玉数が多く、摘果が間に合っていません。カメムシ被害が多く、実が落ちます。実が熟してきた頃に、アナグマの被害があるので、箱罠を仕掛けます。今後、黒点病も心配です。
アグリネット(熊本県)
雨のせいで、今後の病気が心配です。雨が上がって草刈りをがんばります。大きな台風がこなければ、例年以上の収穫が見込めます。
参加者の感想
グリーンコープの産直みかんは、農薬を減らし、摘果剤、除草剤、腐敗防止剤を使用していないので、みんなが安心して食べることができるみかんです。交流会を通して生産者の顔を見て、声を聞いて、繋がりを強く感じました。今年の産直みかんは豊作という話を聞き、たくさん食べようと今からワクワクしています。
動物の被害のところで、「グリーンコープに出荷するのは、おいしくなってから出す為、みかん園の3~4割は食べられてしまう。」と言われた事がとても印象的で、そこまで丁寧に出荷して頂いているのだと言う事を改めて知り、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
グリーンコープの各単協から感謝と応援のメッセージを生産者にお届けました。
交流会を終えて
産地での視察・交流はできませんでしたが、ZOOMを使い11の産地をつないでお話を聞くことができました。 産地では大雨の中、圃場の様子を中継してくださり、青いみかんがたくさん実っている様子を見ることができました。今年は豊作で、今のところ順調とのことでした。また、イノシシが実を、鹿は葉を好んで食べたり、カメムシの被害や黒点病も出始めている、今後は台風や大雨で糖度が下がる心配があるというお話を聞いて、一年中様々なご苦労があることが分かりました。顔の見える関係を実感し、組合員に伝えていこうと思える視察・交流会になりました。
連合会商品おすすめ委員会
2021年10月21日