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在宅福祉ワーカーズが被災地を視察訪問しました

現在の被災地の様子を知り、今後の支援について検討するため、グリーンコープの在宅福祉ワーカーズ福岡連合きらめきのメンバーが、被災地の高齢者や子どもたちのための施設や、グリーンコープが継続して支援している団体の活動拠点などを視察訪問しました。 

日程:2013年12月21日(土)~23日(月) 
訪問先:宮城県亘理郡山元町・亘理町・牡鹿郡女川町・本吉郡南三陸町・石巻市、岩手県大船渡市

●12月21日(土)

デイサービスえんを訪問しました。 
えんは山元町の沿岸部にあったデイサービス施設が津波で全て流され、津波で浸水した自宅を改造して3ヵ月後にサービスを再開。その後町内に新たに施設をつくって開所されました。震災後の緊急物資支援の中で出会い、2011年の7月から2012年の6月まで、グリーンコープの福祉ワーカーズが2人ずつ交代で支援を行ったところです。 
2012年8月現地の共生地域創造財団と協力して開催した「介護職員初任者研修(旧:ホームヘルパー養成研修2級)・宮城講座」の修了者2名が、現在、熱心に働いておられました。 
新しいデイサービスを建設予定ですが、人材の確保と育成が課題ということでした。

   



午後、昼食をいただきながら、NPO法人いちごっこのカフェレストランを兼ねるコミュニティスペースで代表の馬場さんにお話を伺いました。 
2011年5月から、被災された方やボランティアの方たちへ温かなバランスのとれた食事の提供を主な目的に設立。現在は、オリジナルのお菓子や商品を製作・販売しながら地域の方々の働く場を作ったり、他にも「ままサロン」や「寺子屋」などを運営しながら地域のお母さんや子どもたちの支援を行っています。

  

その後、グリーンコープの福祉ワーカーズが支援を行った、宮城県の山元町の介護老人保健施設「アルカディアウェル」を訪問。 
施設に設置された託児室に、支援物資といっしょにおもちゃや絵本を送ってきましたが、子どもたちは喜んで使ってくれているということでした。

   



おもちゃや絵本を送った亘理(わたり)町にある「逢隈(おおくま)児童館」を訪問しました。中学年の学童保育の子どもたちに折り紙と画用紙をプレゼントしました。みんなで分けて使うということでした。学童は1~6年まで90人。障がい児は6年生まで無条件で受け入れているそうです。

   



現地で支援活動にあたっている「共生地域創造財団」の事務所も訪問しました。

●12月22日(日)

津波でなぎ倒された墓石とその上に載った瓦礫の撤去を行った石巻市の西光寺を訪問しました。いまだに積み重なったままの墓石も残されていました。海からはかなり離れた内陸部ですが、被害の大きさを感じました。

   



高台にある宮城県牡鹿郡女川町立病院の敷地から女川町を見ました。津波は約20メートル駆け上がり、病院の1階部分まで浸水しました。湾に面した飲食店も全て流されて、現在も、基礎部分が見えたままだったり、大きなビルも横倒しとなったままでした。

   



女川町にある「一般社団法人コミュニティスペースうみねこ」は、「さんまnaたい焼き」(さんまの形の鯛焼き)の販売と手仕事を行いながら、地域の方の交流拠点となっていました。 
70代の男性がお正月用のモダンなしめ縄を笑顔でつくっておられました。

    

ママサポーターズは2013年2月26日から「一般社団法人コミュニティスペースうみねこ」に名前が変わりました。

 

宮城県の旧桃生郡雄勝町庁舎跡には、仮設の商店街ができていました。人口4300人の内、250人が亡くなり、多くの方が住むところがなく転居、現在1000人程が暮らしておられるそうです。

   



74人以上の生徒と10人の先生が犠牲となった石巻市立大川小学校を訪れました。 
津波は、すぐ前の北上川の防波堤を越えて襲来し、立派な校舎は見る影もなくそぎ落とされていました。1台、また1台と止まる車から降りて来られる人々は言葉もなく慰霊碑の前にたたずんでおられました。

      

大川小学校から石巻市の長面浦漁村を回って行きました。建物や瓦礫はすべて撤去されていましたが、道路の両側は3年たった今も水が引かず、あちこちが沼のようになっていました。長面浦漁村は、2013年10月にようやく電気が通ったそうです。

      

女性職員が避難を呼びかけながら亡くなってしまった宮城県南三陸町の防災庁舎。 
鉄筋だけが残り、細い鉄筋や外付けの階段は曲がり、津波の威力が想像されました。 
皆で慰霊碑に手を合わせました。

  

岩手県大船渡市で読書ボランティアおはなしころりんの代表の江刺さんとの意見交換を行いました。江刺さんは、3・11後、交流のあった子どもたちや親御さんのことが心配で早々に活動を再開されたのだとか。2012年度は人口3900人の約3分の1程の利用があり、移動図書館や読み聞かせを通して子どもから高齢者まで交流がある様子でした。今後に向けては財源の確保や人材育成などが課題とのことでした。

  

赤崎町の公民館長や復興運営委員、民生委員をしている方々と意見交換を行いました。集団移転の問題も含めて、さまざまな問題が起こっていることがわかりました。そのような状況の中でバスの待合所設置を共生地域創造財団が取り組んだことに感謝されていました。

  

●12月23日(月)

グリーンコープが支援を続けている小さな漁村・蛤(はまぐり)浜へ向かう途中の風景。

 
陸前高田の道の駅だったところで、
13メートルのところまで津波がきました。
 
陸前高田の一本松です。



蛤浜・折浜漁協。救援物資を届けながら復興に向けた相談を重ね、被災後最も早く再開できた漁協です。養殖のカキも順調に育っています。

 
蛤浜で漁師を続ける亀山さん
 
浜に建てたカキ剥き小屋での作業のようす



共生地域創造財団のプロデュースにより、蛤浜にオープンしたカフェ「はまぐり堂」。スタッフはみな若く、シェフもパン職人も関東から移り住んで来られたのだとか。週末ともなると、あちこちから100人を超えるお客様が来店されるそうです。蛤浜・折浜のカキもこちらでいただくことができます。 
今後ははまぐり堂を中心として、宿泊施設・キャンプ場なども検討していくということです。

   



   



亘理町のトマト畑を視察。 
亘理のトマトケチャップはブランドになって、在庫切れするほどの人気となっているのだとか。トマトの時期が終わりましたが、潮をかぶった畑にも大根や白菜がしっかりと育っていました。農家の皆さんの日焼けした笑顔が印象的でした。

  

「一般社団法人WATALIS(ワタリス)」を訪問。 
代表の引地さんから現在の状況をお聞きしました。当初4人で始めたワタリスは、現在はメンバーが40人に。若い子育て中の女性の働く場として、4月より社団法人として地域に根ざしたビジネスを展開するとともに、ものづくりだけでなく、歴史的なものを伝承する場としても考えているとのこと。共生地域創造財団の協力があってこそ現在のワタリスがあると話されました。 
昼間は女性たちの交流の場として、夕方は学童保育の場ともなっているとのことでした。

   



<視察参加者の感想>

・テレビや新聞の報道では復興が進んでいるように感じていたが、あまり変わっていない状況に驚いた。復興が進まない中で、現地の民生委員の方の「皆、疲れている」の言葉に、これからも支援を継続していく必要性を感じました。 
・NPO法人亘理いちごっこでは、「3.11のときは皆が関心を持つが、一時期だけ」「東京オリンピックに皆の気持ちが傾き、忘れられるのではないかと不安」との言葉をお聞きし、忘れてはいけないと強く思いました。忘れてはいないと伝えること、伝わる何かをし続けることが大事なのではないかと思いました。 
・九州から見聞きしていた被災地と実際に見学した地のギャップに驚いたりあきれたり、落ち込んだり、言葉もなかったり。その中で明るくてたくましいおばちゃんに会えて心からほっとしました。 
・仮設に泊まったが、座っていると傾いているのがわかり、すきま風が入り、お風呂にも寒くて入れないような感じだった。まだ仮設に住まれている高齢者の方々の大変さがわかった。 
・二級ヘルパー講座の受講者のうち2名がデイサービスえんに就労し、熱心に働いていることがわかった。

2014年2月21日

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