東日本大震災支援活動 グリーンコープ
緊急支援から復興へ向けた長期的な支援へ
被災地を走るグリーンコープの元気くんトラック「りす号」

グリーンコープでは刻々と明らかになっていく未曾有の被害状況を知り、何ができるのかを考え、3月14日より緊急救援物資を送ることから行動をはじめました。同時に40万人の組合員に対して、ただちに救援金のお願いを発信しました。

被災地の復興へ向けた支援は長期的に必要だと考え、5〜7月の3ヵ月に亘って、復興支援のための第二次募金をよびかけました。組合員・取引先から総額2億円を超える募金がグリーンコープに託されています。
救援物資として組合員から寄せられた衣類や布団など(10トントラック50台分ほど)は、ニーズに応じて被災者に届けています。

すべての生命(いのち)に寄り添い、助けあい、支えあう地域をめざしてきたグリーンコープだからこそできる事があるのではと考え、現地の情報を入手しながら、救援活動に取り組んでいきます。

また、この間、同じ思いを持って活動している生協との連帯を大切にしてきました。今回、その仲間の生協が被災しています。このような時こそ、日頃の関係をもとに、グリーンコープができる支援を行っていきます。

さらに、ホームレス支援全国ネットワーク(※)により、現地で活動する団体と連携することで、グリーンコープの組合員の思いが直接被災者の支援に生かされることになりました。現地のニーズに沿った、被災者の状況に寄り添ったきめ細やかな支援活動を行っています。

5月に、ホームレス支援全国ネットワークと友誼団体である生活クラブ生協、グリーンコープの3団体で共同事業体を形成しました。ホームレス支援全国ネットワーク・グリーンコープ・生活クラブ生協東日本大震災被災者支援共同事業体です。

被災地の復興支援事業を長期的に行っていくための基盤整備として、一般財団法人化の申請をしています。
「生命をもっとも大切にすることを原点に、人と人とが助けあい、支えあい、補いあう共生の地域づくりを通して、支援を必要とする人々の自立に寄与すること」をめざして、「共生地域創造財団」としました。
今後、「公益財団法人」をめざしていきます。


※社会福祉法人グリーンコープが行う生活困窮者の自立支援事業「抱樸館福岡」を、NPO法人北九州ホームレス支援機構と協働で行っています。今回、このNPO法人北九州ホームレス支援機構を通して、被災地のホームレス支援全国ネットワークの団体と出会いました。

日本「絆」プロジェクト-北九州第二のふるさと計画-計画案

● 物資支援の取り組み
仙台郡山事務所・倉庫
仙台郡山事務所・倉庫

支援物資を提供している団体は22団体。ホームレス支援全国ネットワークの現地ボランティア団体:NPO法人ワンファミリー仙台などを通じて、宮城県仙台市とその周辺、さらに支援の届いていない岩手県の沿岸部などの被災地へ届けてきました。また、生協あいコープみやぎ、生活クラブやまがた生協、生活クラブふくしま生協、生活クラブ岩手生協を通じて被災者、ならびに避難所に救援物資を届ける活動を行いました。救援や復興事業のためのトラックや車両などの貸し出しも行っています。現地でグリーンコープのトラックは、「りす号」と呼ばれ、親しまれています。
現地ボランティア団体など支援する側の生活環境、物資、資金などの支援も行います。仙台市の郡山に支援物資保管のための倉庫・事務所を構えました。宮城県のJA加美よつばに無償で救援物資の保管のための倉庫を提供いただきました。
これまでに、約3000品目、グリーンコープの元気くんのトラック約150台分の支援物資を届けています。

● 人的支援の取り組み
ボランティア
ボランティア



これまでに173人(10/5現在)のボランティアが被災地で活動しています。グリーンコープの職員や社会福祉法人グリーンコープのワーカーも参加しています。グリーンコープからは、現地に常駐する共同事業体の事務局次長の派遣も行っています。
主な派遣先は、石巻市の蛤浜、橋徳治商店、西光寺の復興支援や、支援物資の配送業務、田畑の復旧作業、社会福祉施設の後方支援などにあたっています。

● 産業復興支援の取り組み
蛤浜でのカキの種つけ作業のようす
橋徳治商店の火入れ式のようす

漁業復興支援として、宮城県石巻市牡鹿半島蛤浜という小さな漁村の牡蠣の養殖が再開できるように、漁船の手配や養殖のための物資の提供や人材の派遣など、必要な支援を行っています。
水産加工業の復興支援として、宮城県石巻市の橋徳治商店(水産練り製品加工業)(※)の工場再建に向けて、津波で工場内に堆積したヘドロの掃除などに人材を派遣して支援しています。秋までに一つのラインで、商品は製造できるように急ピッチで工場の整備などをすすめました。


※生活クラブ生協向けの水産加工品をたくさん製造している。グリーンコープ向けにも、えびフライやお豆腐あげなどを製造していた。

● パーソナルサポートの取り組み

仙台市をはじめとして、被災地の自治体とともに、仮設住宅入居者向けの居場所づくり、就業支援などに、絆支援員が寄り添うサポートをしていく取り組みです。現地で絆相談員の募集や育成などを行っています。