バコロド市のオルタートレード社を出て北部へ向かう。バランゴンバナナの産地、ランタワンを目指した。バコロド市内は舗装された、車線も多い立派な道路であるが、新空港予定地(シライ町)を過ぎた頃から、道がだんだん狭くなり、舗装されていないガタガタ道をひたすら、車は走る。道の両端は、サトウキビ畑が延々と続き、その間、間に集落がある。お尻をトランポリンのようにバウンドさせながら、揺られ続けて約一時間と少し、4:00にランタワン到着。

 
バナナ農園
  ロレンソさん(81)グロリアさん(75)ご夫妻の農園    

 1000マットのバナナを管理しています。袋がけも自ら行い、時々、フィールドアシスタントのビトンさんが手伝うが、今日は、袋がけの実演を見学できた。
 通常は、バナナにはしごをかけて、袋がけをしている。しかし、バナナは、木でないので、太くて丈夫に見えても非常に揺れやすく、袋がけの際はぐらぐらする。また、バナナは平地ばかりでなく、崖のような山の斜面に植えられている所も多いため、袋がけは大変である。この農園では、袋がけをし、色テープをして、熟度管理もしている農園である。この色テープは、全国統一の色が決まっている。(今週は、緑色だった)袋をかけてから、9週間から10週間で、収穫となる。
 ロレンソさん、グロリアさんともに非常に若く、笑顔のステキなおじいちゃんとおばあちゃんである。

 ちいさな手作りの(セメントのブロックを積み上げた)おうちに住み、家の中は、シンプルで、テレビが置かれ、ちいさなキッチンがあった。裏庭で取れたサントールという外見はみかんに似ていて、食感は、びわに似た果物をご馳走になった。裏庭は、まさに山の斜面で崖の下の方までバナナや様々な野菜が植えられており、テラピアの養殖池や香辛料になるハーブも植えられており、自給自足の生活をされている様子がよくわかる。よく手入れされたステキな前庭、働き者のご夫妻にふさわしいシンプルなしかし幸せに満ちた農園に思えた。

フェリックスさん(70)アーリーさんご夫妻の農園

 アーリーさんは、フィールドアシスタントとして集荷や生産管理、地域のリーダーをしている。ランタワンは、生産者が40人、バナナは10,000マットある。5月の台風の影響で、600カートン(1カートン13k)が、100カートンに減っている。(半年くらいで回復するそうです)
 バナナを収穫して入れるダンボールの箱を見せていただく。箱には、生産地の番号に丸をつけるように印刷されており、生産者カードを入れるようになっている。異物混入など、すぐに生産者がわかるような工夫がされている。
 家は、日本の昔の家にあるような土間があり、鶏が自由に闊歩していて、懐かしい風景に見えた。
 行きのガタガタ道を同じ行程でもどった。車窓から美しい夕日がサトウキビ畑に沈んでいき、バコロド市のオルタートレード社に着いた頃は、真っ暗になっていた。

 
ロレンソさん、グロリアさんご夫妻
ロレンソさん夫妻の家
バナナ園
バナナの箱