一、 |
中国産の食べものの安全性の問題について |
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(1)
昨(07)年7月以降、中国で生産・製造された食品やおもちゃや薬品などへの不安と不信が高まり、グリーンコープは、グリーンコープが供 給
している中国産原料を使用した商品の自主検査を進めてきました。 |
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(2)
その後、日本の生協(日本生活協同組合連合会)が供給している中国製「冷 凍ぎょうざ」(CO・OP商品)による農薬中毒事件が発生し、中
国で生産・製造さ れた食品への不安と不信が、一層、大きな問題にな ると共に、生協に対する不安と不信が大きな社会問題となっています。
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(3)
伴って、「生協」であるグリーンコープの組合員も不安を持たれ、多くの問い合わせをいただくこととなりました。そこで、直ちに、08年1月31日(月)から、「グリーンコープは中国製『冷凍ぎょうざ』を取り扱って
いない」 ことを組合員にお知らせしました。 |
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(4)
そして、このたび、今週(2008年2月25日(月))から、「共生の時代」号外を発行し、グリーンコープが昨(07)年7月以降、行ってきた「中国産の原料を使用した商品」の自主検査の進捗状況と結果を報告して
います。 |
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(5)
今回の事件を受けて、大きく、二つのことを意識する必要があります。 一つは「生協」に対する社会の評価・見方であり、もう一つは「食べ もの」及び「食べもの」の確保をどのように考えるのか、という問題
であると 考えます。 |
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一)
「生協」に対する社会の評価・見方としては二つあります。一つは、「生協」全てに対する厳しい評価−「『生協』が謳ってきた 『食の安心・安全』は『神話』であり、その『神話』が『崩壊』した」−
というものです。グリーンコープも「生活協同組合」という意味で「生協」 であり、この「生協」に対する厳しい評価に曝されています。その結果、多くの組合員から「グリーンコープは大丈夫ですか?」「グリーンコープ
はどうなっていますか?」という不安の声が寄せられています。もう一つは、「グリーンコープ」への信頼の評価です。グリーンコープが 前身生協から考えると30数年間、グリーンコープを結成してから20
年間、「いのちを大切にする」「まず、そのために食べものを大切にす る」 「そして、そのために農業・環境を大切にする」という、「生協」
設立の メッセージを守り続け、「生協」設立のメッセージを守る運動・事業 として、「グリーンコープの食べもの」による生協運動 −「食べもの」
運動−に対する評価です。 |
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二)
「食べもの」及び「食べもの」の確保に関する問題としては、「食料の国内自給率の問題」、「食べもの」の生産と製造のあり方と管理の問題、「食べもの」の価格の問題(「本物の価格とは?」等)が大きな社会問
題となっています。皆さんご承知のとおり、この問題は、今、突然、発生した問題ではありません。30数年前にグリーンコープの前身生協を設立した「母親」たちが気付き、「自らが出来ることを仲間と協同して実践しよう」と考えてきた対象の問題です。
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(6)
振り返って、グリーンコープのこれまでの実践が結実している現実という意味で点検すると、次のようになります。
「共生の時代」号外にお届けしているとおりです。 |
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(7)
グリーンコープが供給している約4,000品目のうち、中国産の原料を使用している商品の品目数が590品目、昨(07)年7月中旬以降の新商品53品目、合計643品目です。
グリーンコープは、供給する商品の「一次原料」「二次原料」まで原料内容を把握しています。また、必要に応じて、「三次原料」以降の原料内容を把握しています。従って、グリーンコープが供給している商品のうち、中国産の原料を使用している商品を把握するとき、厳密に把握することができます。
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(8)
しかし、日本の他の生協の中には、供給する商品に関して、商品 の「一次 原料」であっても、「重要でない原料」については管理されておらず、「二次原料」、まして、「三次原料」は、管理されていない
ということ があります。 グリーンコープは三次原料まできちんと把握しており、その結果、合計643品目の中国産原料について組合員に正確にお知らせできる仕組みを作ってきました。
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(9)
グリーンコープは、グリーンコープの前身生協である多くの 「石けん派」生協が設立されてから30数年間、そして、1988年にグリーンコープを結成してから20年間、「安心・安全な食べものを子どもたちに、家族に食べさせたい」という母親の思いを原点に「食べもの」運動を進めてきました。そして、その思いの実現を脅かす問題が起きるたびに、その問題に真正面から向き合い、自らが
出来ることを精一杯に考えて実践し、前進してきました。それらが、現在、グリーンコープが組合員に供給している様々な商品に結実 しています。 |
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一)
グリーンコープが供給する商品には、生協設立の趣旨である 「安心・安全な食べものを子どもたちに、家族に食べさせたい」という母親の思いが貫かれています。グリーンコープは商品を
開発したり、配置する際、どのような原料を使って、どのように作るのかなど、組合員がまとめた考え方・政策に沿って検討しています。 |
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二)
組合員がまとめた考え方・政策のポイントは次のとおりです。 |
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農産品を原料とする場合、可能な限り国産原料を使用する。また、可能であれば、産直品の使用をめざす。 |
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A
畜産品を原料とする場合、可能な限り産直生産物を使用する。もしくは、産直生産物と飼養・飼育内容が同等なものを使用する。 |
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B
水産品を原料とする場合、魚介・甲殻類については基本的に天然のものを使用し、養殖のものを使用する場合は飼育の際 にホルモン剤や抗生物質を使用せず、かつ、できるだけ環境に
負担をかけないものとする。可能な限り国内加工とする。 |
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C
遺伝子組み換えでない原料を優先して使用する。 |
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D
グリーンコープブランド商品を開発する場合、可能な限り指定原料を使用する。 |
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E
食品添加物については、「素材を選ぶこと、素材を生かすことを重視する」「使用しないですむ場合は基本的に使用しない」「化学的に作り出した添加物は使用しない」「安全性評価で
問題が指摘されたもの・問題が残っているものは使用しない」 などを基本的な考え方とする。
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三)
そして、グリーンコープが供給する商品は商品仕様書において、 一次原料だけでなく、一次原料の原料である二次原料、 二次原料の原料である三次原料まで、その情報(内容、製造
場所など)を厳密に管理しています。産直青果は作物栽培計画書、畜産物(たまご、鶏肉、豚肉)は飼育規準書で管理しています。
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四)
更に、「グリーンコープ商品生産・製造認証システム」によって、グリーンコープが供給する商品が作物栽培計画書や商品仕様書どおりに生産・製造されていることを確認しています。生産者・製造者(メーカー)には、生産・製造の履歴(使用原料、工程など)を
記録していただき、その記録をいつでも開示していただきます。そして、年に1回、生産者・製造者(メーカー)の自主監査を行い グリーンコープに報告していただきます。その上で、年に1回、グリーンコープの監査員が監査を行っています。 |
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五)
また、グリーンコープが供給している商品の内、年間約1,000品目について、約3,800項目の検査を外部検査機関に依頼して定期的検査を行っています。この検査結果に応じて、グリーンコープより取引先に報告書の提出を求めたり、製造工場に対して立ち入り調査を行い、改善指導なども行っています。
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六)
グリーンコープが供給している中国産原料を使用している商品は590(07年7月中旬以降に開発・配置した53品目を加えると643)品目あり、それらの商品は中国産でなければ商品として成り立たないものもあります。グリーンコープは中国産原料を使用している商品
について、今後、次のように考えて進めていきます。 |
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@
グリーンコープは「安心・安全な食べものを子どもたちに、家族に食べ させたい」という母親の思いを原点に、グリーンコープが供給する商品
について、「産直生産物を」「可能な限り国産原料を」「可能な限り天然 原料を」「不必要な添加物は使用しない、化学的に作り出した添加物や
安全性評価で問題が指摘されている添加物は使用しない」と考えてき ました。今後、中国産原料については、出来る限り、国産の原料 切り替えていくことを製造者(メーカー)と協議し、可能なところから進めていきます。 |
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A
そして、中国産原料を使用している商品の残留農薬検査、生菌数・重金属・化学物質の検査を行い、安全性を確認していきます。
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B
以上の取り組みについて、組合員にお知らせしていきます。 |
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七)
グリーンコープは「安心・安全な食べものを子どもたちに、家族に食べ させたい」という母親の思いを原点に「食べもの」運動を進めてきました。そして、その思いの実現を脅かす問題が起きるたびに、その問題に真正面から向き合い、自らが出来ることを精一杯に考えて実践し、前進してきました。それらがグリーンコープが供給している様々な商品に結実しています。 |
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・ non−GMO(遺伝子組み換えしていない)飼料で飼育した牛の原乳によるパスチャライズ殺菌の「産直びん牛乳」。 |
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・ ポストハーベスト農薬を使用していない飼料で飼育した鶏の「産直たまご」。 |
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・一人ひとりの生産者と栽培方法の約束をして作られる無農薬・減農薬のお米や野菜。 |
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・ポストハーベスト農薬やnon−GMO(遺伝子組み換えしていない)飼料で飼育した鶏肉や豚肉や牛肉。それらの肉を原料に防腐剤や添加物を使わずに作った「ハム・ソーセージ」。
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・化学調味料を使用しない味噌や醤油などの調味料。 |
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・non−GMO(遺伝子組み換えしていない)菜種を原料に薬品を使 わずに絞った「一番絞りなたね油」。 |
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・九州や北海道の生産者と提携して作られた国産大豆の豆腐や納豆。 |
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・北海道の国産小麦、九州の国産小麦を原料に添加物を可能な限り除いたパン。 |
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・国産トマトの生産者と提携して作るケチャップ。 |
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・グリーンコープの安心・安全な食べものを包む「包材」や「トレー」において塩化ビニールを排除し、缶詰から溶出する環境ホルモン物質「ビスフェノールA」を可能な限り削減する対策。 |
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・小さな子どもたちが口にすることがある「おもちゃ」の素材における安心な材質の追求。 |
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八)
そして、これらの素晴らしい商品を利用することによって、私たちが求める食べものの生産と製造が継続され、その安心・安全の内容も高めてきました。 |
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九)
私たちは今、今般の中国製食品や中国産原料の問題をとおして、あらためて、日本における食べもの自給率の問題、外国産をはじめ 食品の安全性の問題、食べものの製造のあり方や把握と管理のあり方の問題などに直面しています。グリーンコープは、これまでも
そうであったように、今、私たちが直面しているこれらの問題について、今まで以上に精一杯に自らの出来ることを一つひとつ取り組んでい きます。 |
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十)
グリーンコープは20周年を迎える今年−2008年、国産の農畜産物や食べものを守り、更に育てていく取り組みを全力で進めていきます。そして、その取り組みの仲間となる組合員を増やし、グリーンコープの安心・安全な商品の利用を広げていきます。グリーンコープには、
「安心・安全な食べものを子どもたちに、家族に食べさせたい」という 母親の思いを共有し、安心・安全な食べものを生産・製造してくれる 多くの生産者・製造者(メーカー)さんが力強い仲間としています。多くの組合員と生産者・製造者(メーカー)の皆さんとで、自らが出来ることを力を合わせて取り組み、私たちが食べる食べものの安心・安全
を 高めていきたいと考えています。 |
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二、 |
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グリーンコープ運動の仲間作りの状況
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グリーンコープ20周年の2008年、グリーンコープ運動の仲間作りの目標は、79,888人の新規組合員を迎え入れるとするものです。 |
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(2)
生産者・製造者、お取引先の皆さんのご協力をお願いします。 そして、共に、私たちの未来を切り拓きましょう。 |
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