NO.341-(2)
暮らしの経済の大きな落とし穴  「今、考えよう!シンポジウム」
10月31日(月)・11月1日(火)福岡4会場で開催され、全会場で組合員約1,200名が参加し、身近な「多重債務問題」等に耳を傾けました。
開催日時
会場
10月31日(月)
 

 北九州市

 大野城市
11月1日(火)
 

 福岡市

 宗像市

ピックアップ:大野城まどかぴあ/明治安田生命ホール

10月31日(月)
-大野城まどかぴあ-
 200名以上の組合員が参加


ごく普通の生活の延長に、経済生活の破綻があります。
倒産や企業におけるリストラや解雇による収入減は人ごとではなく、自分の身近にせまりつつある問題です。
個人の問題を超えて、誰でも陥る可能性のある社会的な課題として、市民の手による新しいしくみ作りを模索してゆきたいと考えています。

「開催にあたって」より
グリーンコープ生協ふくおか 一丸副理事長
 
●講演
NPO北九州ホームレス支援機構から(奥田和志さん)
奥田さん
日常の支援活動を通して、ふえるホームレスとその実情(北九州市2004年9月457名。過去最悪)。約6割が多重債務者。なぜ発生するのか?自己責任論ではすまされない事態、ホームレスを出さない社会づくり、孤立を防ぐ人と人との関係作りの重要性などについてお話いただきました。
岩手信用生協から(横沢善夫さん)
横沢さん
金融商品が乱立する現在、多重債務問題は誰しもが陥る危険性のある社会問題。交通事故対策同様に、社会基盤の整備(セーフティネット)が必要。
生協として20年来取り組んできた、多重債務者支援の事業報告と共に、社会基盤の必要性について、近年の消費者問題(事件)や破産者(過去3年20万件)、自殺者の増加(ここ10年間で1,000人から9,000人に)、金融制度のグレイゾーンなど、具体的な例でお話しいただきました。

11月1日(火)
-福岡市明治安田生命ホール-

400名以上の組合員が参加

 私たちを取り巻く経済生活上の社会の実態と現状について、グリーンコープ生協ふくおか宮中理事長をコーディネーターとして、4人のパネラーの方々に、それぞれの立場での活動について報告いただきました。


●報告
グリーンコープ生協ふくおか 行岡みち子常務理事
行岡さん
グリーンコープ生協ふくおか内の未収金から見える経済生活の破綻状況や職員パートワーカーズによるアンケート結果などから、私たちのリアルな経済生活の様子を報告いただきました。また、急増する消費者金融や自殺者数との関連などもあわせて、福岡県の消費者金融業者や店舗はコンビニエンスストアー約2,000軒に匹敵する状況などが報告されました。
岩手信用生協 藤村敬一専務理事
藤村さん
当生協がとりくまれている相談事業や融資事業などについて、その実態を報告いただきました。所得の減少・リストラなどにより増加する相談件数、債務整理の解決状況、制度を支えるネットワーク(自治体、弁護士会、信用生協、NPOなどとの連携)、地域での相談会の実施状況など、信用生協の実績の積み重ねが、地域での安心・安全な生活を創り出していることにつながっています。
盛岡市消費生活センター 藤井禧勝所長
藤井さん
「生活破綻にいたる要因もさまざま」、激増しかつ低年齢化している架空請求や多重債務問題。寄せられる相談の実態について報告いただきました。さらに、生活再建を目的とした救済資金の融資事情や「二十歳からの誘惑」など若年層への金銭教育や消費トラブル情宣の重要性などについてもお話いただきました。
岩手県弁護士会 石橋乙秀弁護士
石橋さん
企業倒産やリストラなどの社会的な経済事情と同時に、乱立、密着する消費者金融やクレジット。国の経済政策と無関係ではない。必然的な多重債務者やホームレスの発生。自治体・信用生協・弁護士会3者の連携による最後までめんどうをみる姿勢。時間をかけた事実関係、原因の究明と適正な解決が重要。など
熱く語っていただきました。
グリーンコープ生協ふくおかでは、
「生活再生事業」の発足を検討していきます。

「今、何が起きているのか?」
増えつづける多重債務者やホームレス、一方で利便性を追及する金融商品、乱立する消費者金融など、経済生活破綻の問題は、他人事ではなく、身近でかつ深刻な事態と思わなければなりません。
講演会の様子 今回の講演会、シンポジウムをスタートに、グリーンコープ生協ふくおかでは、地域での総代懇談会でさらに検討を深め、11月29日臨時総代会を開催し、独自のセーフティネット「生活再生事業」の誕生を検討していきます。