NO.307
新潟県中越地震義捐のとりくみ-その(4)-
グリーンコープ連合代表が、新潟県総合生協本部を訪問

グリーンコープ連合代表事務局が11月8日、新潟県総合生協本部を訪問しました。第1次義捐物資を被災自治体、被災者の方々へお届けいただいたことへのお礼と、今後の支援活動について相談・協議させていただきました。
また、協議を終え被害が大きかった川口町、小千谷市を案内いただきました。
以下その内容について、ご報告します。

災害支援のようす

11月6、7日までの時点では、地域間での物資のニーズ、充足度の違いがありました。
総合生協では自治体から各避難所への横もち配送、さらに細かい部落単位での物資の配送を行い、被災者の方々に喜んでもらっています。
配送は通常の配送業務とは別に、土日に集中して物資の輸送や安否確認などの支援活動を行っています。自治体では“物資関係はほぼ充足”との判断です。県生協連でも人員派遣による炊き出し等の対策は終了との話もでていますが、新潟県総合生協では、再度必要な対策について調査し、どのような支援が必要か検討することにしています。
各方面からの義捐物資は13の自治体・避難所へ持ち込み、ニーズに応えられるようにしています。物資は倉庫に入りきれないものは会議室等にも入れています。
グリーンコープからの義捐物資は別紙のお届け先へ届けています。
配送担当者の持ち回り品としても活用し、必要なところへ届けています。

今後の対応策について

まだ、避難勧告が解除されていませんが、勧告が解除されれば被災者の方々は家屋へ戻り、家の片付け等にかかられることになると思われます。その際は、かなりの人員ボランティアが必要になると判断されます。
余震が続く中、どの段階で避難勧告を解除するか自治体は判断に苦しんでいるようです。
物資と言う意味では復興自立へ向かう局面で、ニーズが変化するものと考えられます。新潟県総合生協では、被災地区の自治体への支援活動や組合員への安否確認など、状況を集約しながら必要な支援を行っていきます。
一方で、県生協連の災害対策本部としての活動受け皿、全労済としての災害対策本部受け皿としての活動も行っております。
今回グリーンコープ連合からの支援の申し出については、有難くお受けし、今後の被災者への支援活動に活用して行きます。


被災地域の様子
新潟県総合生協の松田常務、山本副理事長に
小千谷市、川口町を案内いただきました。
道路状況

高速道路はやっと開通、しかし路面は長岡を過ぎ小千谷に近づくにつれ、うねりや段差が残っています。まだ応急措置の段階で、徹夜の突貫工事で道路復旧を進めている様子でした。小千谷インターを降りたところで、余震に遭遇(震度5とのことでした)。高速は一時通行止めとなった模様でした。一般道は随所に地盤・路面のづれ、段差等があり、交通規制を受けながら通行しています。

建物の状況

外見から明らかに倒壊している家屋が散見されました。立っていて外見からは被害が見られない家屋には赤紙(立ち入り禁止)、黄紙(要注意)、緑紙(安全)が張られています。しかし緑紙でも室内は家財道具他メチャメチャでとても直ぐ住めるという状況ではないようです。小千谷市よりも、直下が震源地となった川口町の方がよりひどい状況でした。川口町は人口5700人の町ですが、一時は4000人が避難所生活で、公民館・小学校・中学校、自衛隊テントなどで生活していたとのことでした。現在でも3階立て(雪国仕様の家屋)の地下コンクリート製部分や車で寝泊りしている人も多いとのことです。対策本部の課長によると「避難勧告解除後の後片付けの人員不足を心配しているが、現状、余震が続く中どの時点で判断するか苦慮している」とのことでした。

川口町田麦山地区では小学校が避難所
川口町田麦山地区では小学校が避難所となっていました。直下が震源地です。棚田がつづく地域ですが田には亀裂がはいり、水田をつくることはもうできないだろうと言われています。小学校グラウンドでは、地震直後液状化現象も起きて、水浸しになったとのことでした。3階立て新築建物も土台のコンクリ部分は残っているが2階3階は上からつぶされたように壊れています。避難所の小学校ではボランティア中心で対策本部が運営されています。各家屋は全く住める状況ではない様子です。仮設住宅の建設が予定されていますが、これから道を作っての建設ということで2メートルの積雪となる冬には間に合うかどうか悲観的です。新潟県総合生協の地区委員の方にお会いしましたが「避難所で炊き出しばかり受けていると“お客さん”になってしまう。自分たちが復興へ向かい自立していく為に早く家に戻り,自炊することから始めたい」とのことでした。

小千谷市では

電気は復旧しましたが、ガス・水道・下水はまだ4割程度の復旧だそうです。食べ物はボランティア・自衛隊の炊き出し等が行われています。“水は充足”と自治体では言われていますが、個々のご家庭では緊急物資としての飲み水はあるが、生活に使う水はまだ必要と言われています。


グリーンコープとしての今後の支援について


グリーンコープ・グリーンクラブの義捐物資第2次分は現在保管スペースを確保しながら、受け入れ可能なタイミングを指示いただくこととしています。今後は、新潟県総合生協の支援対策と連動して、各地域の必要物資の希望集約をして、調達を考えます。また、後片付けや、物資の仕分等に人的支援が必要になると考えられます。ボランティアとしての人員派遣を検討して行く予定です。