第一部 基調講演『生命の水』
 アフガニスタンでは、「カネがなくとも生きていけるが、雪がなくては生きられない」ということわざがあります。 このことわざでアフガニスタンの生活、文化、社会のあり方を表しています。「雪」とはヒンズークッシュ山脈にあり、 人々に水を供給する巨大な貯水槽です。水は日光によって植物を育て、それを人や動物が食べる。水と緑は、無から 有を生み出す富の基盤です。その流れが明瞭な世界がアフガニスタンです。
社会全体が自然と一体になった農業国の色彩が強く、意識せずに伝統を重んじ、大地に張りついて生きる様は、「グローバリズム」 とは、対極にあります。しかし、今世界を見渡せば、「雪(水と自然)はなくとも生きられるが、カネがなくては生きられない」という 思い込みが支配しているように思えてなりません。
中村哲著「医者、用水路を拓く」より引用、要約


現在も現地と日本を行き来して、命を懸けて活動を続ける中村医師の講演に、
ご期待ください。
第2部 鼎談『生命の水 今、わたしたちにできること…』
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