平和グリーンコープ共同体 2017年度 共生・平和長崎自転車隊 取り組み趣意書
2017年6月28日
グリーンコープ共同体
一、   はじめに
  柳川の地に発祥した自転車隊の取り組みに、グリーンコープの取り組みを重ねて25年目を迎えます。25回目の「共生・平和銀輪隊」と30回を数える「共生・平和自転車隊」で構成する「共生・平和長崎自転車隊」の取り組みは、地域に根ざしたグリーンコープ全体の取り組みとして受け継がれ、大きく成長してきました。
  1995年のグリーンコープ連合第三期通常総会で、不戦決議「不戦はグリーンコープの原点です。」を採択し、2007年9月、グリーンコープ共同体設立総会で「グリーンコープの原点である『不戦平和』を組合員・地域へ伝え続けます。」を改めて確認しています。
  グリーンコープは、「自然と人」「人と人」「女と男」「南と北」の4つの共生を掲げ、何よりも生命(いのち)そのものに価値があるという思いと共に運動を展開してきました。生活協同組合という支え合い助け合う仕組みの中で、「生命を育む食べもの運動」をすすめ、一人ひとりがそれぞれの地域で人生を全うできるような地域福祉の共助の仕組みをつくり出すなど、私たちの願いをかたちにしてきました。日々の暮らしの中にあるささやかな幸せ、それが平和であるということなのです。
  4つの共生はグリーンコープに集う人たちが、それぞれに生かし生かされ支え合って共に生きるためのテーマであり、平和な社会を築くための道筋です。平和は、互いを尊重し、価値観を認め合うことでつくられます。2011年3月に起きた東日本大震災と原子力発電所の事故で平和な日常の暮らしが奪われ、生命と原発は決して共存できないという思いを再認識することとなりました。また、昨年4月に熊本で発生した大地震の被災地への迅速かつ心の通う支援は、生命を守るため、地域に寄り添う支援として継続しています。
  2017年、今夏も「不戦」を掲げ、「共生・平和長崎自転車隊」に多くの組合員と子どもたちとで取り組みます。五感を通して感じる平和の大切さ、生命の尊さをともに確かめ合い、共生の歩みを重ねていきます。

二、 共生・平和 長崎自転車隊の意義について
   自転車は、歩くことの次に身近な世界を広げていく、自然を傷つけない乗りものです。車社会(工業化社会=モノ中心社会)の便利な時代だからこそ、長崎へ平和を願って自転車で走ることは、どのような生き方や暮らし方をするのか、それを問い、見直す契機になると思います。
 車社会に奪われた地域を自分たちの手で取り戻していくための、私たちの意思表示でもあります。次の時代を担う子どもたちに自分の生き方・関わり方を、体力をふり絞って、誠心誠意伝えていくことが重要です。
 そして更に、子どもたちが本来有している力を発揮して生きていけるように、しっかりとした体と知恵とやさしさをもつことができるように、自己と他を相対化しながら集団として包み込んでいけるように、自転車隊を支えることでおとなたちが「本気で日常を築いていこう」と決意を新たにすることでもあります。
 誰の目にも明らかな自然・環境の危機の時代を迎えています。「遠くは電車で、近くは自転車で」、そのような時代をつくる責任がおとなたちにもあることを、しっかりと見据えておく必要があります。

三、 共生・平和 長崎自転車隊の目的について
1、 20世紀の前半に日本が悲惨な戦争をしていたという事実は、年とともに風化し、戦争を知らない世代が全人口の大半を占めるようになっています。今を生きる子どもたちにとって、「平和」や「戦争」について真剣に考える時を持つことは難しくなってきています。
2、 だからこそ、1年に1回、夏に長崎へ向かうことは、五感を通して平和について何かを感じるよい機会となるのです。心の柔らかなうちに、強いられるのではなく自分から苛酷なことに取り組んでみる。夏・長崎に・自転車で・125kmを・「不戦」のゼッケンを背負って……。おとなも子どもも一緒になって、心と体で平和を考える「時」をこの自転車隊の取り組みで保障していきたいと考えます。
3、 子どもとおとなの関係が希薄になっています。家庭・学校・地域社会の崩壊が言われて久しく、子どもたちは悩み苦しんでいます。今、「おとなは子どもにどう向き合うべきか」が問われています。
4、 自転車隊の取り組みは、参加するすべての人々が、お互い助け合い支え合って、暑い中汗を流し、寝食を共にします。それは、「人」として生きるための心を、「生命」と向き合う真摯な姿勢を、おとなが子どもに伝える時でもあります。「人は決して一人ではない。多くの人に支えられて生かされている」ことを参加者全員で確かめ合います。
5、 自転車隊の取り組みは、「平和」・「共育」・「環境」・「福祉」・「協同」の学びすべてが含まれています。グリーンコープはこうした取り組みを育て、広く組合員に窓を開き、継続し伝えていく集団でありたいと願います。そして福岡から長崎までの道のりの間、行き交うすべての人々に平和への願いを訴えていきます。

四、 終わりに
 1945年8月9日11時02分。長崎に原子爆弾が投下された時です。
 それは長崎の方々にとって、戦争を体験した人々にとって、そして今を生きる私たち地球上の全ての人々にとって、とても耐え難い事実です。この日、私たちは長崎の爆心地に立ち、何を思い、何を誓うか、があります。走り抜いた人、応援する人、道行く人、全ての人に『生命』と『平和』、そして『不戦』を投げかけます。また、平和なくして自然や人権は守れず、安全な食や地域福祉も保障されないことを確認します。
 最後に、故グリーンコープ名誉会長武田桂二郎さんの言葉を、もう一度かみしめて行進しましょう。
 「平和と共生はグリーンコープの命です。それらは一つであって二つではありません。地球の運命は、今、皆さんの若い人たちの双肩にかかっています。どうか頑張っていただきたい。」
以上


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